
ORblueNa (オルブルーナ)と仲良しの表参道・原宿のお店や、パートナーシップを組んでいるブランドの素敵な活動を紹介していく「OmoHara Project」、第二弾!
今回は「カエルデザイン合同会社」さまに、ブランド立ち上げの理由、商品の魅力、つくり手の方の想いをお聞きしました。単なる「アクセサリーの制作」を超えた、SDGs、サステナブルな選択についての考えがより広がる通信となっています。
近年、マイクロプラスチックなどの海洋プラスチックによる環境汚染問題が深刻化しています。 1年間に800万トン(ジャンボジェット機5万機相当)ものプラスチックが海に流れ出ています。海と海の生きものを汚染し、2050年には海中のプラスチックの量が魚の量を上回るといわれています。 海洋プラスチックの問題を多くのひとに知ってもらうとともに、「使い捨てる」という文化を少しでも変えていきたい。 そう考え、カエルデザイン合同会社は、海洋プラスチックを回収してアクセサリーにアップサイクルし、販売しています。アクセサリーは、就労継続支援施設に通うさまざまな障がいをもつ人達がすべて手作業で作成。 障がいをもつ人達の生きがいと経済的な自立につなげ、国連がSDGsで目標とする「No one will be left behind.(誰ひとり取り残さない)」社会の実現を目指しています。 商品の売上の一部は、海洋ゴミの調査やクリーンアップを通じて海や川の環境保全を行っている非営利のNGO、一般社団法人JEANに寄付。 働き手が社会参加を実感できる事業展開。30ものエリアからプラスチックごみを集めるパートナーシップや、地域や生活者の環境意識を高めるキッカケとなっている点などが評価され、「ソーシャルプロダクツ・アワード2021」においてソーシャルプロダクツ賞を受賞。 SDGsの「8 働きがいも経済成長も」「12 つくる責任つかう責任」「14 海の豊かさを守ろう」の目標実現、海洋プラスチック汚染に対する関心と解決の輪の拡大を期待されているブランドです。
「カエルデザイン」を生んだ2つのきっかけ

Q1.カエルデザインを立ち上げたきっかけを教えてください。 また、実現していきたいもの、目指すところを教えてください。 A.大きなきっかけ2つあります。 ひとつは、2017年に金沢21世紀美術館で開催された、「ヨーガン レール 文明の終わり」という作品展を見たことです。 日本で自然素材でできた服や小物などを提案してきたヨーガンレールは、晩年は石垣島へ移住し、『最後の仕事』として海岸に打ち上げられたプラスチックゴミから、数々の美しいランプを生み出しました。 ゴミとして捨てられ、価値を失ったものを、美しいものや再び使用できるものに変えることで、環境の危機を訴え、この現状を僕達に問いかけたのです。 プラスチックゴミがこんなにも美しい照明、アート作品に生まれ変わるのかと、衝撃を受けました。 2つ目は、プラスチックストローが世界的に問題になった2018年に、石川県の大麦の茎でストローの商品化を行った際、石川県の海岸でプラスチックストローを探して歩いて、大量のプラスチックゴミを目にしたことです。 目の前にある大量のプラスチックゴミに、今を生きる大人の責任として、そしてクリエイターとして、やるべきこと、できることがあると強く思いました。 クリエイティブなアイディアによって、ゴミにもう一度命を与えることならできる。 ヨーガン レールが残したモノには及ばないかも知れないけれど、僕達にもきっと多くの人達のこころに届くモノを生み出せるはずだと思いました。
「カエル」に込めた想い
Q2.「カエルデザイン」のカエルには、どういう想いが込められているのでしょうか。 A.「カエル」は、古代エジプトで繁殖力が強いこと、卵→おたまじゃくし→カエルへと大きく変態することから、生命の誕生や絶えることのない再生、復活の象徴とされてきました。日本では「帰る」、「返る」、「還る」、「変える」と同じ発音となるので、幸運、お金が返ってくる、ひとが帰ってくる、さまざまな状況をよい方向へと変えてくれる、幸運の象徴とされています。 カエルデザインは、海洋プラスチックやフラワーロスなど、廃棄されるモノを再生し、アクセサリーなどの新たな商品として生まれ変わらせます。 さらに、海の環境や社会の環境、パートナーである障がいをもつ人達の現状を、少しずつでもよりよい方向へと「カエル」ことを目的とします。
なぜ「アクセサリー」なのか
Q3.なぜアクセサリーなのでしょうか。 カエルデザインのアクセサリーの魅力や、どんな方に届けたいなどの想いを教えてください。 A.海洋プラスチックは多くの種類のプラスチックゴミが入り混じっていて、しかもそれらは劣化したり海水などで汚れています。 それをもう一度プラスチック製品の原料としてリサイクルすることはとても困難で、技術や資金がないと不可能です。 でも手作業とクリエイティブなアイディアによって、小さなアクセサリーにアップサイクルすることは、僕達にも可能でした。 もちろん数ヶ月の試行錯誤の期間は必要でしたが。色んな種類、色んな色の海洋プラスチックをブレンドしてアップサイクルすることで、結果として想像もしていなかった複雑な色や模様のアクセサリーが生まれるのです。 意図せずに生まれてくる複雑で滲んで揺らいだ色模様。どれも唯一無二。世界にひとつだけのアクセサリーであることがカエルデザインのアクセサリーの一番の魅力だと考えています。 サステナブルやエシカル、環境問題に関心がある方達だけでなく、ただ美しい、かわいいアクセサリーを身に着けたい。 そういう方達にも手にとっていただき、身につけていただき、それがきっかけで環境問題、海洋プラスチックの問題に興味を持っていただけたらと思います。
つくり手にとって「カエルデザイン」が特別である理由

Q4.障がいのある方や、全国でゴミ収集し送ってくださる方々など、たくさんのひとの手によってつくられているカエルデザイン。 障がいのある方や、ゴミ収集いただいた方の「携わる理由」、「生活や意識の変化」の声を教えてください。 A.さまざまな障がいを持って生きるのは、ときに苦しいことです。辛く、悲しいことでもあります。 自分がなんのために生きているのか。自分は生きていてよいのかと自問自答するひともいます。生きる目的、希望を失い命を絶とうとするひともいます。 でも、海洋プラスチックをアップサイクルすることで、少しでも海の環境を守ることができる、海洋生物の命を救うことができる、未来をより良くすることができる。 そう思いながら仕事をすることで、社会とのつながりが強くなり、自分が生きる目的、意味を見出し、未来に向かって希望を持って歩いていくことができます。 カエルデザインの仕事をする前は、朝起きても施設に行くのが億劫だったり、夜、よく眠れなかったのが、カエルデザインに関わるようになって、毎日施設に行くのが億劫でなくなり、逆に楽しみになった。 自分の仕事に誇りを持てるようになったといってくれます。 全国から海洋プラスチックを送ってくださる方は、今まではクリーンビーチをしても集めたプラスチックは焼却されるか埋め立てられるだけだったのが、きれいなアクセサリーに生まれ変わる。 それも障がいをもつ人達の自立につながるということで、今までよりクリーンビーチをすることが楽しくなった。励みになるという声をいただいています。
今日からできる「サステナブルな選択」
Q5.カエルデザインが考えるサステナブルな選択とはなんでしょうか。 A.海洋プラスチックをはじめとして環境問題を引き起こしたのは、国や企業ではありません。わたしたちひとりひとりの消費行動、日々の生活がもたらしたものです。 逆にいえば、環境問題を解決できるもの、国や企業ではなく、わたしたちひとりひとりの消費行動、日々の選択だと思います。 海洋プラスチック問題でいえば、できるだけシングルユースのプラスチック製品は買わないこと。買ったプラスチック製品は長くつかうこと。 どうしても捨てる場合は、適切に回収されるように廃棄すること。 ひとりひとりの消費行動は社会行動であり、未来への選択だと考えています。

海にあることで、海洋生物の生命を脅かし、海を汚す海洋ゴミ。 そのゴミにさまざまなひとの手によって命が吹き込まれ、世界にひとつの輝きとなってわたしたちの「いつも」の彩となる。 今回、カエルデザインの方や障がいをもつ方、クリーンビーチの方の想いを知って、ただものを買う、つかうを超えた「サステナブルな選択」のカタチのひとつを知ることができました。 下記のサイトでも、カエルデザインの方の想いやアクセサリーを見ることができますのでぜひご覧ください。 カエルデザイン公式HP オンラインショップ ORblueNa(オルブルーナ)にも、カエルデザインさまのアクセサリーを多数取り揃えております。ぜひ実際に手にとって、ひとつひとつ表情の違うアクセサリーを見てみてください。 今後もORblueNa (オルブルーナ)と仲良しの表参道・原宿のお店や、パートナーシップを組んでいるブランドの素敵な活動やスタッフの方を紹介していきます。 お楽しみに!
